NEROLIDOL ー 植物のある暮らしと装いを ー

2019.7.19
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下北沢の沿道沿いにあるオシャレなお花のアトリエ兼お店「NEROLIDOL」。オーナーの猪飼牧子さんはちょっと変わった経歴の持ち主。
(Vol.1参照)こちらのコラムでは猪飼さんと「NEROLIDOL」のご協力を得て普段の何気ない生活にちょっぴりアクセントをつけてくれるお花を通して、皆様の明日の活力、またお仕事への取り組み方をご紹介させていただきます。

Vol.9 体験取材「植物教室 ジャーマンカモミール蒸留の植物教室」貴重な美しいブルーの精油ができる様子を体験しませんか?

今回はお店取材第八弾、毎月、数回開催されているワークショップ「ジャーマンカモミール蒸留の植物教室」の体験取材をさせていただきました。

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体験したのは6月中旬。この日は梅雨の晴れ間でしたが、緑道沿いには紫陽花が咲いており、季節を感じることができました。

本日のお教室は満席。生徒さん3名様に取材班もご一緒させていただきました。生徒さんのうち2人はお花屋さんで働いているそう。
今回の植物教室は別日でも、お花屋さんで働く方々がご参加されたりハーバルセラピストさんが参加されるほどの人気ぶり。取材班もとても貴重な体験ができるこの日をとても楽しみにしていました。
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まずはハーブティーを楽しみながら、二十四節気・七十二候のお話し


日本にある「二十四節気」と「七十二候」について学びます。カモミールを使ったハーブティーをいただきながらお話しを伺いました。取材日、二十四節気は「芒種(ぼうしゅ)」。芒は(のぎ・ぼう)とよみ、米や麦などイネ科の植物が実った時、その果実の先端にある針状の突起の事。「芒種」はそんな芒のある穀物の種を蒔いたり、収穫したりする時期だそう。七十二候は「腐草為螢(ふそうほたるとなる)」昔の人は腐った草が蒸れて、蛍に生まれ変わると信じていたそうです。この頃から、水辺の腐った草などの下から、成虫の蛍が光を灯し始めるといわれています。季節柄、皆さんと梅仕事の話題でも盛り上がりました。梅仕事も季節を感じますね。

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いよいよジャーマンカモミールの蒸留

アトリエには既にジャーマンカモミールの入った蒸留器が準備されていました。
早速ずっと気になっていた蒸留器が動き出しました。蒸留器にはガラス製や、銅製、陶器など様々なものがあるそうです。どれにも利点欠点があり、人それぞれの好みだそうですが、ガラス製は蒸留の様子が見やすいことや成分が水に溶けない、などという事から、今回はガラス製の蒸留器を使いました。

また、植物を蒸留すると水溶性の液体と脂溶性成分の精油ができるのですが、この水溶性の液体のことを芳香蒸留水と呼びます。植物を蒸留する際に、芳香蒸留水を作るのか?精油を作るのか?目的とするもの、求める結果により蒸留の仕方が変わるそうです。今回は微量の芳香性物質(精油成分)を含んだ芳香蒸留水(ハイドロゾル、フローラルウォーター)を取ることを主な目的としました。

蒸留中は牧子さんからカモミールと蒸留について学びます

蒸留器を動かしてから、芳香蒸留水が抽出されるまで少し時間がかかるので、その間もカモミールと蒸留方法などを学びます。今回カモミールを使った理由は、貴重な美しいカマズレンブルーの精油ができる様子も体験できたら、、、とのこと。またカモミールには、ジャーマンカモミールとローマンカモミールの2種類が使われますが、美しいブルーの精油ができるということでジャーマンカモミールにしたそうです。白い花からブルーの精油が抽出できるなんて想像ができないですよね。

また、使ったのは生花ではなく乾燥させたジャーマンカモミール。生花とドライの差は一番は水分量。今回は何度も試された結果、乾燥させたものを使ったほうが効率的に精油のブルーが抽出できたのでドライを使いました。植物教室の短い時間で蒸留ができるよう、ドライのジャーマンカモミールを一度水に浸し、蒸留していました。

芳香蒸留水は精油の副産物とも言われますがきちんと芳香蒸留水に焦点を当てて販売されているものも多数あります。カモミールの芳香蒸留水は、独特な薬のような香りがすることや精油の取れ高が低いことからあまり市販では流通していませんが、肌を落ち着けアレルギーを緩和してくれる素晴らしい効能がある蒸留水です。

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学んでいる間に、ジャーマンカモミールの蒸留が進んできました

蒸留フラスコの中に入ったジャーマンカモミールと沸騰した湯から、芳香成分を含む蒸気が上がり、その蒸気を周りを水で冷やした冷却器の中で蒸気を冷やし水に戻します。ビーカーにぽたぽたと少し白く濁った液体が落ちてきました。

美しい精油の色を活かしたジェルづくり

蒸留が進むにつれ、芳香蒸留水に分離した綺麗なブルーの精油があらわれてきました。

こうして抽出される貴重なジャーマンカモミールの精油を使い、ジェルづくり。ジャーマンカモミールの香りに合わせたお好みの精油を選び、自分だけのお気に入りのジェルをつくりました。今回は、肌に良さそうな精油を牧子さんがいくつかご用意してくださいました。

選んだ香りとジャーマンカモミールの精油を、海藻からできた多糖類を含むジェルに1滴ずついれて混ぜます。
体験している取材スタッフは失敗して3滴ほど入れてしまいましたが牧子さんがスプーンすくって助けてくださいました。ジェルの容量が少ないため1滴でも多く入ってしまうと、濃度が高すぎて肌に刺激が強くなってしまうそうです。


今回使用したジャーマンカモミールの精油の色合いが薄めだったので黄緑色のようなジェルになりました。
精油の会社により、色合いも香りも若干違うそうです。

続いてリニメント剤づくり

リニメント剤とは皮膚に擦り込んで使う塗布剤。水分と油分をバランスよく含むためブースターとしても使用できるそう。今回抽出したジャーマンカモミールの芳香蒸留水にドライのチョウマメをいれ10分ほどひたします。すると、芳香蒸留水が綺麗な青色に。

ここに、カレンデュラの成分をマカデミアナッツオイルに浸出させたカレンデュラオイルをスポイトでいれます。油分を少し加えると、そのままの蒸留水よりも成分が肌に浸透しやすくなるそう。さらに、カレンデュラオイル自体にも細胞活性、修正、保護の作用があるそうです。




そして、最後に牧子さんが選んだオシャレな容器に、お手製のラベルを貼り完成!

デザートタイム

蒸留が終わったあとは美味しいデザートをいただきました今回のデザートはおなじみ、井の頭公園駅のビアンカーラさんのスペシャルデザート。
アプリコットとフィンネルシードのケーキに、エルダーフラワーのシロップがたっぷりかかっていました。添えてあるナスタチウムも美味しくいただきました。シロップの甘みとアプリコットの酸味のバランスがよく、今の季節にピッタリでした。

ーー取材後記ーー

今回は弊社に入社したばかりのスタッフが体験取材に初参加させていただきました。
はじめは緊張していましたが、ご一緒させていただいた皆様はこれまでにも「NEROLIDOL」の別の植物教室に参加されたリピーターさん。
お教室が始まるまでの間、以前開催された「オーガニック精油で作る香水教室」でつくった香水が熟成したそうで、その香りを牧子さんと一緒に楽しんでいました。
その穏やかな雰囲気に緊張もほぐれていったようです。
体験取材が終わると「勉強することもとても多かったですが、植物に囲まれながら、ハーブティーをいただき、芳香蒸留水や、ジェル、リニメント剤をつくり、最後は美味しいデザートをいただきながらの談笑という時間が純粋に楽しく、とても密度の濃いお時間でした。また別の植物教室にも参加したいと思いました。」とのことでした。
自身が勉強になることはもちろんのことですが、一緒に参加していた2人のお花屋さんも熱心にメモを取りながら話を聞かれていたのがとても印象的だったそうです。
牧子さんから、「ゆくゆくは植物の蒸留をしたいと思っています。」とお伺いしたのは、半年ぐらい前だったでしょうか?
「楽しみにしていますね!」と会話したことを今でも鮮明に覚えています。
「ゆくゆくは・・・」とのことだから1年、もしくは2年くらい先の計画かと思っていましたが、あまりにも早い開催で嬉しいびっくりでした。
牧子さんの中では、言葉にした段階ですでにある程度のことが決まっていたのだと思いますが、そのストイックさと常に新しいことへのチャレンジ精神にはいつも敬服しております。
「ジャーマンカモミール蒸留の植物教室」は開催が終了してしまいましたが、今後も蒸留教室を開催していくそうです。蒸留について学ぶ基本講座は「カモミールの会」とし、その他の蒸留の会はさらに蒸留水を楽しんだり蒸留する植物自体を掘り下げて活用する教室にしたいとのことでした。ますます「NEROLIDOL」の植物教室から目が離せません。
ぜひ、植物の色や香りが蒸留とともに変化していく美しい過程を楽しんでみませんか。

7月文月季節の植物教室 【アロマワックスサシェの植物教室】

詳細・予約はこちら

NEROLIDOL
東京都世田谷区代沢4-42-10
猪飼 牧子

フローリスト
AEAJ認定アロマセラピスト/アロマテラピーインストラクター
JAMHA認定ハーバルセラピスト
エディブルフラワーコンシェルジュ

季節の花束、オリジナルブレンドハーブティー、本物の植物を使用したアクセサリーなどの販売をしながら
フラワーアレンジメント、ハーブ、アロマセラピー、エディブルフラワー(食用花)などの季節の植物の教室を毎月開催しています。
植物が姿を変えながらも、私たちの生活に寄り添ってくれている 《植物のある暮らしと装いを》 お伝えしています。
【Instagram】:makiko_nerolidol